枕草子157段 苦しげなるもの

えせもの 枕草子
中巻中
157段
苦しげ
うらやましげ

(旧)大系:157段
新大系:150段、新編全集:151段
(以上全て三巻本系列本。しかし後二本の構成は2/3が一致せず混乱を招くので、以後、三巻本理論の根本たる『(旧)大系』に準拠すべきと思う)
(旧)全集=能因本:161段
 


 
 苦しげなるもの 夜泣きといふわざするちごの乳母。思ふ人二人もちて、こなたかなたふすべらるる男。こはき物の怪にあづかりたる験者。験だにいちはやからばよかるべきを、さしもあらず、さすがに人わらはれならじと念ずる、いと苦しげなり。
 

 わりなくものうたがひする男にいみじう思はれたる女。一の所などに時めく人も、えやすくはあらねど、そはよかめり。心いられしたる人。
 
 

えせもの 枕草子
中巻中
157段
苦しげ
うらやましげ