古事記 不具=ホムヂ~原文対訳

曙立王 古事記
中巻④
11代 垂仁天皇
ホムチワケの物語
⑤不具=ホムヂ
葦原色許男大神
原文 書き下し
(武田祐吉)
現代語訳
(武田祐吉)

曙立王。
菟上王。
二王。
すなはち
曙立あけたつの王
菟上うながみの王
二王ふたばしらを、
かようにして
アケタツの王と
ウナガミの王と
お二方を
副其御子
遣時。
その御子に副へて
遣しし時に、
その御子に副えて
お遣しになる時に、
     
自那良戸。 那良戸ならどよりは 奈良の道から行つたならば、
遇跛盲。 跛あしなへ、
盲めしひ遇はむ。
跛ちんばだの
盲めくらだのに遇うだろう。
    二上ふたかみ山の
自大坂戸
亦遇跛盲。
大阪戸よりも
跛あしなへ、
盲めしひ遇はむ。
大阪の道から行つても
跛や盲に遇うだろう。
唯木戸
是腋月之吉戸
ト而。
ただ木戸ぞ
掖戸わきどの吉き戸
と卜へて、
ただ
紀伊きいの道こそは
幸先さいさきのよい道である
と占うらなつて
     
出行之時。 いでましし時に、 出ておいでになつた時に、
毎到坐地。 到ります地ところごとに 到る處毎に

品遲部也。
品遲部ほむぢべを
定めたまひき。
品遲部ほむじべの人民を
お定めになりました。
曙立王 古事記
中巻④
11代 垂仁天皇
ホムチワケの物語
⑤不具=ホムヂ
葦原色許男大神