古事記 葛野歌(数の歌)~原文対訳

大山守命と大雀命 古事記
中巻⑧
15代 応神天皇
愛の歌物語
1 葛野歌
矢河枝比賣
原文 書き下し
(武田祐吉)
現代語訳
(武田祐吉)
一時天皇  或る時天皇、  或る時、
越幸
近淡海國之時。
近つ淡海あふみの國に
越え幸でましし時、
天皇が近江の國へ
越えてお出ましになりました時に、
御立宇遲野上。 宇遲野うぢのの上に
御立みたちして、
宇治野の上にお立ちになつて
望葛野。 葛野かづのを望みさけまして、 葛野かずのを御覽になつて
歌曰。 歌よみしたまひしく、 お詠みになりました御歌、
     
知婆能 千葉の 葉の茂しげつた
加豆怒袁美禮婆 葛野かづのを見れば、 葛野かずのを見れば、
毛毛知陀流 百千足ももちだる 幾千も富み榮えた
夜邇波母美由 家庭やにはも見ゆ。 家居が見える、
久爾能富母美由 國の秀ほも見ゆ。 國の中での良い處が見える。
     
  と歌ひたまひき。  
大山守命と大雀命 古事記
中巻⑧
15代 応神天皇
愛の歌物語
1 葛野歌
矢河枝比賣