紫式部集60 憂きことを:原文対訳・逐語分析

59み吉野は 紫式部集
第六部
初々し出仕

60憂きことを
異本57
61つれづれと
原文
(実践女子大本)
現代語訳
(渋谷栄一)
注釈
【渋谷栄一】
弥生ばかりに  三月のころに 【弥生ばかりに】-寛弘三年(一〇〇六)三月。
宮の弁のおもと、 宮の弁のおもとが、 【宮の弁のおもと】-中宮彰子付きの女房。
「いつか参りたまふ」 「いつ参上なさいますか」 【参り】-「まいる」は平安の仮名遣い。
など書きて、 などと書いて、  
     
憂きことを 嫌なことに  
思ひ乱れて 思い悩まれて  
青柳の 青柳のように 【青柳の】-「いと」に掛る枕詞。
いと久しくも たいそう久しく  
なりにけるかな なってしまいましたね