徒然草176段 黒戸:原文

世には心得ぬ 徒然草
第五部
176段
黒戸
鎌倉中書王

 
 黒戸は、小松御門、位に即かせ給ひて、昔、ただ人にておはしましし時、まさな事せさせ給ひしを忘れ給はで、常に営ませ給ひける間なり。
御薪に煤けたれば、黒戸と言ふとぞ。