徒然草37段 朝夕隔てなく馴れたる人:原文

久しく 徒然草
第一部
37段
朝夕隔てなく
名利

 
 朝夕隔てなく馴れたる人の、ともある時、我に心おき、ひきくつろへるさまに見ゆるこそ、「今更かくやは」など言ふ人もありぬべけれど、なほげにげにしく、よき人かなとぞおぼゆる。
 

 疎き人の、うちとけたることなど言ひたる、また、よしと思ひつきぬべし。