古事記 花橘の歌~原文対訳

髮長比賣 古事記
中巻⑧
15代 応神天皇
愛の歌物語
5 花橘の歌
よさみの池の歌
原文 書き下し
(武田祐吉)
現代語訳
(武田祐吉)
爾御歌曰。 ここに御歌よみしたまひしく、 そこで天皇のお詠み遊ばされた歌は、
     
伊邪古杼母 怒毘流都美邇 いざ子ども 野蒜のびる摘みに、 さあお前まえたち、野蒜のびる摘つみに
比流都美邇 和賀由久美知能 蒜ひる摘みに わが行く道の 蒜ひる摘つみにわたしの行く道の
迦具波斯 波那多知婆那波 香ぐはし 花橘はなたちばなは、 香こうばしい花橘はなたちばなの樹、
本都延波 登理韋賀良斯 上枝ほつえは 鳥居枯がらし、 上の枝は鳥がいて枯らし
志豆延波 比登登理賀良斯 下枝しづえは 人取り枯がらし、 下の枝は人が取つて枯らし、
美都具理能 那迦都延能 三栗の 中つ枝の 三栗みつぐりのような眞中まんなかの枝の
本都毛理 阿加良袁登賣袁 ほつもり 赤ら孃子を、 目立つて見える紅顏のお孃さんを
伊邪佐佐婆 余良斯那 いざささば 好よらしな。 さあ手に入れたら宜いでしよう。
髮長比賣 古事記
中巻⑧
15代 応神天皇
愛の歌物語
5 花橘の歌
よさみの池の歌