紫式部集89 葦田鶴の:原文対訳・逐語分析

88いかにいかが 紫式部集
第七部
栄花と追憶

89葦田鶴の
異本80
90折々に
原文
(実践女子大本)
現代語訳
(渋谷栄一)
注釈
【渋谷栄一】
殿の御、  殿の御歌、 【殿の御】-藤原道長の歌。
     
葦田鶴の 鶴のような  
齢しあらば 長寿があったならば  
君が代の 若君の年齢の  
千歳の数も 千年の数も  
数へとりてむ 数え取ることができよう  
     

参考異本=後世の二次資料

*「あしたづのよはひしあらばきみが代の千とせのかずもかぞへとりてん」(黒川本「紫日記」一〇)
 
*「題しらず  法成寺入道前摂政太政大臣
あしたづのよはひしあらば君が代の千年の数はかぞへとりてん」(尊経閣文庫本「続拾遺集」賀 七四九)
*「返し  法成寺入道前摂政太政大臣
あしたづのよはひしあらばきみが代のちとせのかずはかぞへとりてん」(竜門文庫本「万代集」賀 三七六三)
*「あしたづの齢しあらば君が代の千歳の数もかぞへとりてん」(梅沢本「栄華物語」六〇)