古事記 菟上王~原文対訳

肥長比賣 古事記
中巻④
11代 垂仁天皇
ホムチワケの物語
⑧菟上王
相楽と弟国
原文 書き下し
(武田祐吉)
現代語訳
(武田祐吉)
於是覆奏言。 ここに覆奏かへりごとまをさく、 そこで御返事申し上げることには、
因拜大神。 「大神を拜みたまへるに因りて、 「出雲の大神を拜みましたによつて、
大御子物詔故。 大御子おほみこ物もの詔のりたまひつ。 大御子が物を仰せになりますから
參上來。 かれまゐ上り來つ」
とまをしき。
上京して參りました」
と申し上げました。
     
故天皇歡喜。 かれ天皇歡ばして、 そこで天皇がお歡びになつて、
即返菟上王。 すなはち菟上うながみの王を返して、 ウナガミの王を返して
令造神宮。 神宮を造らしめたまひき。 神宮を造らしめました。
     
於是天皇。 ここに天皇、 そこで天皇は、
因其御子。 その御子に因りて その御子のために

鳥取部。
鳥取部ととりべ、 鳥取部・
鳥甘部。 鳥甘とりかひ、 鳥甘とりかい・
品遲部。 品遲部ほむぢべ、 品遲部ほむじべ・
大湯坐。 大湯坐おほゆゑ、 大湯坐おおゆえ・
若湯坐。 若湯坐わかゆゑを
定めたまひき。
若湯坐をお定めになりました。
肥長比賣 古事記
中巻④
11代 垂仁天皇
ホムチワケの物語
⑧菟上王
相楽と弟国