紫式部集110 おほかたに:原文対訳・逐語分析

109しののめの 紫式部集
第十部
天の川の人

110おほかたに
異本105
111天の川
原文
(実践女子大本)
現代語訳
(渋谷栄一)
注釈
【渋谷栄一】
〈適宜当サイトで補注〉
七日、  七日、

【七日】-七月七日。

〈この歌は式部の歌(評釈・渋谷)か夫宣孝の歌(新大系)かで説が分かれるが、そのように人定は推測に過ぎず、かつ夫という認定は、式部の恋歌にひたすら一方的に夫を代入する粗暴なみなし認定で不適当〉

     
おほかたに 普通に  
思へばゆゆし 思うと縁起でもないが、  
天の川 天の川の  
今日の逢ふ瀬は 年に一度の今日の逢う瀬は  
うらやまれけり 羨ましく思われます  
     

参考異本=後世の二次資料

 「七夕の歌の中に  紫式部
おほかたを思へばゆゆしあまの川けふの逢瀬はうらやまれけり」(細川文庫本「風雅集」秋上 四六六)