紫式部集35 たけからぬ:原文対訳・逐語分析

34言ひ絶えば 紫式部集
第三部
言い寄る夫

35たけからぬ
36折りて見ば
原文
(実践女子大本)
現代語訳
(渋谷栄一)
注釈
【渋谷栄一】
夜中ばかりに、  夜半ごろに、  
又、 再び、  
     
たけからぬ 立派でもなく  
人数なみは 人数にも入らぬわたしは、 【たけからぬ人数なみ】-立派でなく人数に入らぬ。「なみ」はないので、の意と「波」を響かす。「なみ」は「池」の縁語。
わきかへり 沸き返らせて、 【わきかへり】-「かへり」は「波」の縁語。水が湧くに、腹を立てる意を掛ける。
みはらの池に みはらの池の  
立てどかひなし 腹を立てましたが、あなたには負けましたよ 【みはらの池に立てど】-腹を立てる。「立つ」は「波」の縁語。