奥の細道 別離:原文対照

山中 奥の細道
別離
全昌寺


『おくのほそ道』
素龍清書原本 校訂
『新釈奥の細道』
   曾良は腹を病みて、 曾良は腹をいたみて
  伊勢の国長島といふ所にゆかりあれば、 いせの國長島といふ所に
  先立ちて行くに、 先立て行くに
     

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 行き行きて 倒れ伏すとも 萩の原  曾良  行〳〵て 倒れふすとも 萩の原  曾良
     
  と書き置きたり。 とかき置たり
  行く者の悲しみ、残る者の憾み、 行くものゝ悲しみ殘る者のうらみ
  隻鳧の別れて雲に迷ふがごとし。 隻鳧のわかれて雲にまよふがごとし
     
  予もまた、 予も又
     

57
 今日よりは 書付消さん 笠の露  けふよりや 書付けさん 笠の露
山中 奥の細道
別離
全昌寺