枕草子291段 日のうらうらとある昼つ方

時奏する 枕草子
下巻下
291段
日のうらうら
成信の中将

(旧)大系:291段
新大系:272段、新編全集:273段
(以上全て三巻本系列本。しかし後二本の構成は2/3が一致せず混乱を招くので、以後は最も索引性に優れ三巻本理論の根本たる『(旧)大系』に準拠すべきと思う)
(旧)全集=能因本:270段
 


 
 日のうらうらとある昼つ方、また、いといたう更けて、子の刻などいふほどにもなりぬらむかし、おほとのごもりおはしましてにやなど、思ひ参らするほどに、「をのこども」と召したるこそ、いとめでたけれ。
 夜中ばかりに、御笛の声聞えたる、またいとめでたし。