古事記 フトマニと出雲大神の祟り~原文対訳

和那美之水門 古事記
中巻④
11代 垂仁天皇
ホムチワケの物語
③出雲大神の祟り
曙立王
原文 書き下し
(武田祐吉)
現代語訳
(武田祐吉)

鳥取(兎・女側の問題)ではなく

     
亦見其鳥者。 またその鳥を見たまへば、 さてその鳥を御覽になつて、
於思物言而。 物言はむと思ほして、 物を言おうとお思いになるが、
如思爾勿言事。 思ほすがごと言ひたまふ事
なかりき。
思い通りに言われることは
ありませんでした。
     

出雲(スサノ男側の問題)

     
於是
天皇患賜而。
 ここに天皇
患へたまひて、
 そこで天皇が
御心配遊ばされて
御寢之時。 御寢みねませる時に、 お寢やすみになつている時に、
覺于御夢曰。 御夢に覺さとしてのりたまはく、 御夢に神のおさとしをお得になりました。
    それは
修理我宮
如天皇之
御舍者。
「我が宮を、
天皇おほきみの
御舍みあらかのごと
修理をさめたまはば、
「わたしの御殿を
天皇の
宮殿のように
造つたなら、
御子
必眞事
登波牟。
御子
かならずま言ごと
とはむ」
御子が
きつと物を
言うだろう」と、
〈自登下
三字以音〉
   
     
如此覺時。 とかく覺したまふ時に、 かように夢に御覽になつて、
布斗摩邇邇
占相而。
太卜ふとまにに
占うらへて、
そこで太卜ふとまにの法で
占いをして、

何神之心。
「いづれの神の御心ぞ」
と求むるに、
これはどの神の御心であろうか
と求めたところ、
爾祟。 ここに祟たたりたまふは、 その祟たたりは
出雲大神之御心。 出雲いづもの大神の御心なり。 出雲の大神の御心でした。
和那美之水門 古事記
中巻④
11代 垂仁天皇
ホムチワケの物語
③出雲大神の祟り
曙立王