紫式部集9 嵐吹く:原文対訳・逐語分析

8露深く 紫式部集
第一部
若かりし頃

9嵐吹く
10もみぢ葉を
原文
(実践女子大本)
現代語訳
(渋谷栄一)
注釈
【渋谷栄一】
返し、  返歌、 【返し】-紫式部の返歌。
     
嵐吹く 烈しい風が吹く  
遠山里の 遠くの山里の  
もみぢ葉は もみぢ葉は  
露もとまらむ 露を少しの間でも留まらせることが難しいように、 【露も】-「嵐」「紅葉」「露」「とまる」は縁語。
「露」は副詞「つゆ」との掛詞。「露」を都を離れる友人に喩える。
ことのかたさよ あなたも都に留まることは難しいのでしょうね