徒然草28段 諒闇の年ばかり:原文

御国ゆづり 徒然草
第一部
28段
諒闇の年
静かに思へば

 
 諒闇(りょうあん)の年ばかりあはれなることはあらじ。
 

 椅廬の御所のさまなど、板敷をさげ、葦の御簾をかけて、布の帽額あらあらしく、御調度どもおろそかに、皆人の装束、太刀、平緒まで、ことなるやうぞゆゆしき。