枕草子241段 清水へこもりたりしに

御乳母の 枕草子
下巻上
241段
清水へ
駅は

(旧)大系:241段
新大系:224段、新編全集:225段
(以上全て三巻本系列本。しかし後二本の構成は2/3が一致せず混乱を招くので、以後は最も索引性に優れ三巻本理論の根本たる『(旧)大系』に準拠すべきと思う)
(旧)全集=能因本:281段
 

旧全集段冒頭:清水に籠りたるころ


 
 清水へこもりたりしに、わざと御使して賜はせたりし、唐の紙のあかみたるに、草にて、「
 

♪25
  山ちかき 入相の鐘の 声ごとに
  恋ふる心の 数は知るらむ
 

ものを、こよなの長居や」とぞ書かせ給へる。紙などのなのめげならぬも、とり忘れたる旅にて、むらさきなる蓮の花びらに書きてまゐらす。
 
 

御乳母の 枕草子
下巻上
241段
清水へ
駅は