徒然草233段 よろづの咎:原文

すべて人は 徒然草
第六部
233段
よろづの咎
人の物

 
 よろづの咎あらじと思はば、何事にもまことありて、人を分かずうやうやしく、ことば少なからむにはしかじ。
男女老少みなさる人こそよけれども、ことに若くかたちよき人の言うるはしきは、忘れがたく思ひつかるるものなり。
よろづのとがは、なれたるさまに上手めき、所得たるけしきして、人をないがしろにするにあり。