古事記~神生み① 原文対訳

国生み② 古事記
上巻 第一部
イザナギとイザナミ
神生み①
神生み②
原文 書き下し
(武田祐吉)
現代語訳
(武田祐吉)

生國竟。
 既に
國を生み竟をへて、
 このように
國々を生み終つて、

生神。
更に
神を生みたまひき。
更さらに
神々をお生みになりました。
     
故生
神名
かれ生みたまふ
神の名は、
そのお生み遊ばされた
神樣の御おん名はまず
大事忍男神。 大事忍男
おほことおしをの神。
オホコトオシヲの神、
次生
石土毘古神。
〈訓石云伊波。
亦毘古二字
以音下效此也〉
次に石土毘古
いはつちびこの神を
生みたまひ、
次に
イハツチ彦の神、
次生
石巢比賣神。
次に石巣比賣
いはすひめの神を
生みたまひ、
次に
イハス姫の神、
次生
大戶日別神。
次に大戸日別
おほとひわけの神を
生みたまひ、
次に
オホトヒワケの神、
次生
天之
吹〈上〉男神。
次に天吹男
あめのふきをの神を
生みたまひ、
次に
アメノフキヲの神、
次生
大屋毘古神。
次に大屋毘古
おほやびこの神を
生みたまひ、
次に
オホヤ彦の神、
次生
風木津別之
忍男神。
〈訓風云加邪。
訓木以音〉
次に風木津別
かざもつわけの
忍男おしをの神を
生みたまひ、
次に
カザモツワケノ
オシヲの神を
お生みになりました。
次生
海神名
大綿津見神。
次に海わたの神名は
大綿津見
おほわたつみの神を
生みたまひ、
次に海の神の
オホワタツミの神を
お生みになり、
次生
水戶神名
速秋津日子神。
次に水戸みなとの神名は
速秋津日子
はやあきつひこの神、
次に水戸の神の
ハヤアキツ彦の神と


速秋津比賣神。
次に妹速秋津比賣
はやあきつひめの神を
生みたまひき。
ハヤアキツ姫の神とを
お生みになりました。
     
〈自大事忍男神
至秋津比賣神
并十神〉
(大事忍男の神より
秋津比賣の神まで
并はせて十神。)
オホコトオシヲの神から
アキツ姫の神まで
合わせて十神です。
     

速秋津日子
速秋津比賣
二神。
この
速秋津日子
はやあきつひこ、
速秋津比賣
はやあきつひめの
二神ふたはしら、
この
ハヤアキツ彦と
ハヤアキツ姫の
御二方が
因河海
持別而
生神名
河海によりて
持ち別けて
生みたまふ神の名は、
河と海とで
それぞれに分けて
お生みになつた神の名は、
沫那藝神。
〈那藝二字
以音下效此〉
沫那藝
あわなぎの神。
アワナギの神・

沫那美神。
〈那美二字
以音下效此〉
次に
沫那美
あわなみの神。
アワナミの神・

頰那藝神。
次に
頬那藝
つらなぎの神。
ツラナギの神・

頰那美神。
次に
頬那美
つらなみの神。
ツラナミの神・

天之水分神。
〈訓分云
久麻理。
下效此〉
次に
天あめの
水分みくまりの神。
アメノ
ミクマリの神・

國之水分神。
次に
國くにの
水分みくまりの神。
クニノ
ミクマリの神・

天之
久比奢母智神。
〈自久以下
五字以音
下效此〉
次に
天あめの
久比奢母智
くひざもちの神、
アメノ
クヒザモチの神・

國之
久比奢母智神。
次に
國くにの
久比奢母智
くひざもちの神。
クニノ
クヒザモチの神
であります。
     
〈自沫那藝神
至國之
久比奢母智神
并八神〉
(沫那藝の神より
國の
久比奢母智の神まで
并はせて八神。)
アワナギの神から
クニノ
クヒザモチの神まで
合わせて八神です。
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