古事記~海佐知山佐知 原文対訳

火照と
火遠理
古事記
上巻 第五部
ホデリとホオリの物語
海佐知と山佐知
幸かえ
佐知かえ
サシカエ
原文 書き下し
(武田祐吉)
現代語訳
(武田祐吉)
故火照命者。  かれ火照ほでりの命は、  ニニギの命の御子のうち、
ホデリの命は
爲海佐知毘古
〈此四字以音
下效此〉而。
海佐知
うみさち毘古として、
海幸彦
うみさちびことして、

鰭廣物。
鰭狹物。
鰭はたの廣物
鰭の狹さ物を取り、
海のさまざまの魚を
お取りになり、
     
火遠理命者。 火遠理ほをりの命は ホヲリの命は
爲山佐知毘古
而。
山佐知
やまさち毘古として、
山幸彦として

毛麁物
毛柔物。
毛の麁あら物
毛の柔にこ物を
取りたまひき。
山に住む
鳥獸の類を
お取りになりました。

 

火照と
火遠理
古事記
上巻 第五部
ホデリとホオリの物語
海佐知と山佐知
幸かえ
佐知かえ
サシカエ


 ここで海佐知と山佐知を、安易に海幸山幸としか見ないと、それをサシかえてかえさない(かえサジ)の掛かりが読めない。
 幸としてないこと自体に意味がある。