源氏物語 関屋:巻別和歌3首・逐語分析

蓬生 源氏物語
和歌一覧
各巻別内訳
16帖 関屋
絵合

 
 源氏物語・関屋の巻の和歌3首を抜粋一覧化し、現代語訳と歌い手を併記、原文対訳の該当部と通じさせた。

 

 内訳:2()、1(源氏)※最初最後
 

関屋・和歌の対応の程度と歌数
和歌間の文字数
即答 0  40字未満
応答 0  40~100字未満
対応 2首  ~400~1000字+対応関係文言
単体 1首  単一独詠・直近非対応

※分類について和歌一覧・総論部分参照。

 

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 上下の句に分割したバージョン。見やすさに応じて。
 なお、付属の訳はあくまで通説的理解の一例なので、訳が原文から離れたり対応していない場合、より精度の高い訳を検討されたい。
 


  原文
(定家本校訂)
現代語訳
(渋谷栄一)
271
行くと来と
せき止めがたき
涙をや
絶えぬ清水と
人は見るらむ
〔空蝉〕行く時も帰る時にも
逢坂の関で、せきとめがたく流れる
わたしの涙を
絶えず流れる関の清水と
人は見るでしょう
272
わくらばに
行き逢ふ道を
頼みしも
なほかひなしや
潮ならぬ海
〔源氏〕偶然に
近江路でお逢いしたことに
期待を寄せていましたが
それも効ありませんね、
やはり潮海ではないから
273
坂の
関やいかなる
なれば
しげき嘆きの
仲を分くらむ
〔空蝉〕逢坂の
関は、いったいどのような
関なのでしょうか
こんなに深い嘆きを起こさせ、
人の仲を分けるのでしょう