枕草子57段 若くよろしき男の

殿上の名対面 枕草子
上巻中
57段
若くよろしき男
若き人

(旧)大系:57段
新大系:54段、新編全集:55段
(以上全て三巻本系列本。しかし後二本の構成は2/3が一致せず、混乱を招くので、三巻本理論の根本たる『(旧)大系』に準拠すべきと思う)
(旧)全集=能因本:59段
 


 
 若くよろしき男の、下衆女の名よび馴れていひたるこそにくけれ。
 知りながらも、なにとかや、片文字はおぼえでいふはをかし。
 宮仕所の局によりて、夜などぞあしかるべけれど、主殿司、さらぬただ所などは、侍などにある者を具して来ても呼ばせよかし。
 手づから、声もしるきに。
 はした者、わらはべなどは、されどよし。