徒然草166段 人間の営み:原文

東の人 徒然草
第五部
166段
人間の営み
一道

 
 人間の、営み合へるわざを見るに、春の日に行き仏を作りて、そのために金銀、珠玉の飾りを営み、堂を建てんとするに似たり。
その構へを待ちて、よく安置してんや。
人の命ありと見るほども、下より消ゆること雪のごとくなるうちに、営み待つこと甚だ多し。