古事記 反正天皇~原文対訳

履中天皇陵 古事記
下巻
18代 反正天皇
允恭天皇

目次
18代 反正天皇(はんぜい)
(多治比之柴垣宮)
身長と歯(3mと3cm)
后妃・皇子女
(毛受野)
 

反正天皇

原文 訓読文
(武田祐吉)
現代語訳
(武田祐吉)

宮(多治比之柴垣宮)

     
水齒別命。  弟いろと
水齒別
みづはわけの命、
 弟の
ミヅハワケの命
(反正天皇)、
坐多治比之
柴垣宮。
多治比たぢひの
柴垣しばかきの宮にましまして、
河内の多治比たじひの
柴垣しばがきの宮においでになつて
治天下也。 天の下治らしめしき。 天下をお治めなさいました。
     

身長と歯(3m・3cm)

     
此天皇。
御身之長。
九尺二寸半。
天皇、
御身みみの長たけ
九尺二寸半
ここのさかまりふたきいつきだ。
天皇は
御身のたけが
九尺二寸半、
御齒
長一寸廣二分。
御齒の
長さ一寸き、廣さ二分きだ。
御齒の
長さが一寸、廣さ二分、
上下等齊。 上下等しく齊ととのひて、 上下同じように齊そろつて
既如貫珠。 既に珠を貫ぬけるが如くなりき。 珠をつらぬいたようでございました。
     

后妃・皇子女

     
天皇。娶
丸邇之
許碁登臣之女。
都怒郎女。
天皇、
丸邇わにの
許碁登こごとの臣が女、
都怒つのの郎女に娶ひて、
 天皇は
ワニのコゴトの臣の女の
ツノの郎女と結婚して
生御子。 生みませる御子、 お生みになつた御子は、
甲斐郎女。 甲斐かひの郎女、 カヒの郎女・
次都夫良郎女。 次に都夫良つぶらの郎女 ツブラの郎女の
〈二柱〉 二柱。 お二方です。
     
又娶
同臣之女。
弟比賣。
また同おやじ臣が女、
弟比賣に
娶ひて、
また同じ臣の女の
弟姫と
結婚して
生御子。 生みませる御子、 お生みになつた御子は
財王。 財たからの王、 タカラの王・
次多訶辨郎女。 次に多訶辨たかべの郎女、 タカベの郎女で
并四王也。 并はせて四柱ましき。 合わせて四王おいでになります。
     

陵(毛受野)

     
天皇之
御年。陸拾歲。
天皇
御年六十歳むそぢ。
天皇は
御年六十歳、
  (丁丑の年
七月に崩りたまひき)
丁丑ひのとうしの年の
七月にお隱れになりました。
御陵在
毛受野也。
御陵は
毛受野もずのにありと言へり。
御陵は
モズ野にあるということです。
     

 

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