徒然草187段 よろづの道の人:原文

吉田と申す馬乗り 徒然草
第五部
187段
よろづの道
ある者子を法師になして

 
 よろづの道の人、たとひ不堪なりといへども、堪能の非家の人に並ぶ時、必ず勝る事は、弛みなく慎みて軽々しくせぬと、ひとへに自由なるとの等しからぬなり。
 

 芸能芸能所作のみにあらず。
大方の振舞、心づかひも、愚かにして慎めるは、得の本なり。
巧みにしてほしきままなるは、失の本なり。