枕草子240段 御乳母の大輔の命婦

三条の宮に 枕草子
下巻上
240段
御乳母の
清水へ

(旧)大系:240段
新大系:223段、新編全集:224段
(以上全て三巻本系列本。しかし後二本の構成は2/3が一致せず混乱を招くので、以後は最も索引性に優れ三巻本理論の根本たる『(旧)大系』に準拠すべきと思う)
(旧)全集=能因本:99段
 

新大系段冒頭:御乳母の大夫の命婦
旧全集段冒頭:御乳母の大輔の、今日の(、日向へ)


 
 御乳母の大輔の命婦、日向へくだるに、賜はする扇どもの中に、片つ方は日いとうららかにさしたる田舎の館などおほくして、いま片つ方は京のさるべき所にて、雨いみじう降りたるに、
 

♪24
  あかねさす 日に向かひても 思ひ出でよ
  都は晴れぬ ながめすらむと
 

御手にて書かせ給へる、いみじうあはれなり。さる君を見おき奉りてこそえ行くまじけれ。
 
 

三条の宮に 枕草子
下巻上
240段
御乳母の
清水へ