和泉式部日記

    古典の改め
和泉式部日記
和歌一覧

 

 和泉式部日記(1008年)の和歌一覧と全文をリンクで通じさせた。

 

和歌一覧:147首。群書類従と三條西家本の対照

 

全文:群書類従。1003年4月〜1004年1月までの内容

 

 本作は「和泉式部の本人自筆の作品とされることもあるものの、かつては『和泉式部物語』とも呼ばれたこともあり、また主人公であり筆者であるはずの和泉式部本人を「女」という三人称的呼称で扱っていることから別に作者がいるのではないか、との意見もある」(Wikipedia「和泉式部日記」)。

 しかしこれついては、伊勢物語の「(昔)男」が一つの段の例外を除き、一貫して主観であるように著者本人の自称と解され、下級身分の者、まして通称でしか呼ばれない女性が自称を明示する通例はない。

 「(昔)男」も明らかに当人の昔語り・回顧録だったから、その抽象性に乗じ、ふしだらで有名な業平のものと一方的にみなされ古今集で業平歌集と丸ごと認定された。しかしその認定に事実の裏付けが全くないため、学説は源氏でも言及された伊勢物語を無視し、どこかにあったはずという業平原歌集を想定し業平認定の理論的根拠とし始めた(自分達の結論・見立てを根拠にする循環論法)。