徒然草36段 久しくおとづれぬ頃:原文

手のわろき人 徒然草
第一部
36段
久しく
朝夕隔てなく

 
 「久しくおとづれぬ頃、いかばかりうらむらむと、我が怠り思ひ知られて、言葉なき心地するに、女のかたより、仕丁やある、ひとり、など言ひおこせたるこそ、ありがたくうれしけれ。さる心ざましたる人ぞよき」と、人の申し侍りし、さもありぬべきことなり。