枕草子246段 身をかへて、天人などは

一条の院 枕草子
下巻上
246段
身をかへて
雪高う降り

(旧)大系:246段
新大系:228段、新編全集:229段
(以上全て三巻本系列本。しかし後二本の構成は2/3が一致せず混乱を招くので、以後は最も索引性に優れ三巻本理論の根本たる『(旧)大系』に準拠すべきと思う)
(旧)全集=能因本:ナシ
 


 
 身をかへて、天人などはかうやあらむと見ゆるものは、ただの女房にて候ふ人の、御乳母になりたる。唐衣も着ず、裳をだにも、よういはば着ぬさまにて御前に添ひ臥し、御帳のうちを居所にして、女房どもを呼びつかひ、局にものをいひやり、文をとりつがせなどしてあるさま、いひつくすべくもあらず。
 

 雑色の蔵人になりたる、めでたし。去年の十一月の臨時の祭に御琴を持たりしは、人とも見えざりしに、君達とつれだちてありくは、いづこなる人ぞとおぼゆれ。ほかよりなりたるなどは、いとさしもおぼえず。
 
 

一条の院 枕草子
下巻上
246段
身をかへて
雪高う降り