枕草子62段 河は

滝は 枕草子
上巻中
62段
河は
あかつきに

(旧)大系:62段
新大系:59段、新編全集:60段
(以上全て三巻本系列本。しかし後二本の構成は2/3が一致せず、混乱を招くので、三巻本理論の根本たる『(旧)大系』に準拠すべきと思う)
(旧)全集=能因本:222段
 


 
 河は 飛鳥川、淵瀬もさだめなく、いかならむとあはれなり。大井河。おとなし川。七瀬川。
 

 耳敏川、またもなにごとをさくじり聞きけむとをかし。玉星川。細谷川。いつぬき川。澤田川などは、催馬楽などの思はするなるべし。名取川、いかなる名を取りたるならむと聞かまほし。吉野河。
 

 天の川原、「たなばたつめに宿からん」と、業平がよみたるもをかし。