枕草子44段 七月ばかりに

虫は 枕草子
上巻中
44段
七月ばかりに
にげなき

(旧)大系:44段
新大系:41段、新編全集:42段
(以上全て三巻本系列本。しかし後二本の構成は2/3が一致せず、混乱を招くので、三巻本理論の根本たる『(旧)大系』に準拠すべきと思う)
(旧)全集=能因本:51段
 


 
 七月ばかりに、風いたう吹きて、雨などさわがしき日、おほかたすずしければ、扇もうちわすれたるに、汗の香すこしかかへたる綿衣のうすきを、いとよくひきて昼寝したるこそをかしけれ。