古事記 崇神天皇の系譜~原文対訳

開化天皇 古事記
中巻③
10代 崇神天皇
宮と系譜
大物主大神
中巻
神武 ②八帝 ③崇神 ④垂仁
景行 ⑥成務 ⑦仲哀 ⑧應神

目次
10代 崇神天皇(すじん)
(師木水垣宮)
后妃・皇子女

 

宮と系譜

原文 書き下し
(武田祐吉)
現代語訳
(武田祐吉)

宮(師木水垣宮)

     
御眞木入日子
印惠命。
 御眞木入日子印惠
みまきいりひこ
いにゑの命、
 イマキイリ彦
イニヱの命
(崇神天皇)、
坐師木水垣宮。 師木しきの
水垣みづかきの宮にましまして、
大和の師木しきの
水垣の宮においでになつて
治天下也。 天の下治らしめしき。 天下をお治めなさいました。
     

后妃・皇子女

     
此天皇。娶
木國造。
名荒河刀辨之女。
〈刀辨二字以音〉
遠津年魚目
目微比賣。
この天皇、
木の國の造、
名は荒河戸辨
あらかはとべが女、
遠津年魚目目微比賣
とほつあゆめ
まくはしひめに娶ひて、
 この天皇は、
木の國の造の
アラカハトベの女の
トホツアユメ
マクハシ姫と結婚して
ごま2014    
生御子。 生みませる御子、 お生みになつた御子は
豐木入日子命。 豐木入日子とよきいりひこの命、 トヨキイリ彦の命と
次豐鉏入日賣命。 次に豐鉏入日賣
とよすきいりひめの命
トヨスキイリ姫の命
〈二柱〉 二柱。 お二方です。
     
又娶
尾張連之祖。
意富阿麻比賣。
また尾張をはりの連が祖
意富阿麻おほあま比賣に
娶ひて、
また尾張の連の祖先の
オホアマ姫と
結婚して
生御子。 生みませる御子、 お生みになつた御子は、
大入杵命。 大入杵おほいりきの命、 オホイリキの命・
次八坂之入日子命。 次に八坂やさかの入日子いりひこの命、 ヤサカノイリ彦の命・
次沼名木之入日賣命。 次に沼名木ぬなきの入日賣の命、 ヌナキノイリ姫の命・
次十市之入日賣命。 次に十市とをちの入日賣の命 トホチノイリ姫の命の
〈四柱〉 四柱。 お四方です。
     
又娶
大毘古命之女。
御眞津比賣命。
また大毘古おほびこの命が女、
御眞津みまつ比賣の命に
娶ひて、
また大彦おおびこの命の女の
ミマツ姫の命と
結婚して
生御子。 生みませる御子、 お生みになつた御子は
伊玖米入日子
伊沙知命。
〈伊玖米伊沙知
六字以音〉
伊玖米入日子
伊沙知
いくめいりひこ
いさちの命、
イクメイリ彦
イサチの命・
次伊邪能眞若命。
〈自伊至能以音〉
次に伊耶いざの眞若まわかの命、 イザノマワカの命・
次國片比賣命。 次に國片くにかた比賣の命、 クニカタ姫の命・
次千千都久
〈此二字以音〉
和比賣命。
次に千千都久和
ちぢつくやまと比賣の命、
チヂツクヤマト姫の命・
次伊賀比賣命。 次に伊賀いが比賣の命、 イガ姫の命・
次倭日子命。 次に倭日子やまとひこの命。 ヤマト彦の命の
〈六柱〉 六柱 お六方です。
此天皇之御子等。
并十二柱。
〈男王七。女王五也〉
この天皇の御子たち、
并せて十二柱
(男王七、女王五なり)
この天皇の御子たちは
合わせて十二王おいでになりました。
男王七人女王五人です。
     

伊久米伊理毘古
伊佐知命者。
治天下也。
かれ
伊久米伊理毘古伊佐知
いくめいりびこいさちの命は、
天の下治らしめしき。
そのうち
イクメイリ彦
イサチの命は
天下をお治めなさいました。
     
次豐木
入日子命者。
〈上毛野君。
下毛野君等之祖也〉
次に豐木入日子
とよきいりひこの命は、
上つ毛野、
下つ毛野の君等が祖なり。
次にトヨキイリ彦の命は、
上毛野かみつけの・
下毛野の君等の祖先です。
     
豐鉏比賣命
〈拜祭
伊勢大神之宮也〉
妹豐鉏とよすき比賣の命は
伊勢の大神の宮を
拜いつき祭りたまひき。
妹のトヨスキ姫の命は
伊勢の大神宮を
お祭りになりました。
     
次大入杵命者。
〈能登臣之祖也〉
次に大入杵おほいりきの命は、
能登の臣が祖なり。
次にオホイリキの命は
能登の臣の祖先です。
次倭日子命。
〈此王之時。
始而於陵立人垣〉
次に倭日子やまとひこの命は、
この王の時に
始めて陵に人垣を立てたり。
次にヤマト彦の命は、
この王の時に始めて
陵墓に人の垣を立てました。
     
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