枕草子189段 十八九ばかりの人の

病は 枕草子
中巻中
189段
十八九
八月ばかり

(旧)大系:189段
新大系:181段、新編全集:181段-2
(以上全て三巻本系列本。しかし後二本の構成は2/3が一致せず混乱を招くので、以後、三巻本理論の根本たる『(旧)大系』に準拠すべきと思う)
(旧)全集=能因本:305段
 

なお189段冒頭が十八九(18or19)で符合すること、198段冒頭も八九(8or9)月であることも『(旧)大系』構成が一貫した本筋という根拠にしたい。
つまり世間に流布した後、世間の読者の目を意識した著者自身の最終校訂版と考える(以上独自)


 
 十八九ばかりの人の、髪いとうるはしくてたけばかりに、裾いとふさやかなる、いとよう肥えて、いみじう色しろう、顔愛敬づき、よしと見ゆるが、歯をいみじう病みて、額髪もしとどに泣きぬらし、みだれかかるも知らず、おもてもいとあかくて、おさへてゐたるこそをかしけれ。
 
 

病は 枕草子
中巻中
189段
十八九
八月ばかり