枕草子47段 主殿司こそ

細殿に 枕草子
上巻中
47段
主殿司
をのこは

(旧)大系:47段
新大系:44段、新編全集:45段
(以上全て三巻本系列本。しかし後二本の構成は2/3が一致せず、混乱を招くので、三巻本理論の根本たる『(旧)大系』に準拠すべきと思う)
(旧)全集=能因本:55段
 


 
 主殿司こそ、なほをかしきものはあれ。下女の際は、さばかりうらやましきものはなし。よき人ににせさせまほしきわざなめり。わかくかたちよからむが、なりなどよくてあらむは、ましてよからむかし。すこし老いて、物の例知り、おもなきさまなるも、いとつきづきしくめやすし。
 

 主殿司の顔愛敬づきたらむ、ひとり持たりて、装束時にしたがひ、裳、唐衣などいまめかしくてありせばや、とこそおぼゆれ。