枕草子146段 碁をやむごとなき人のうつとて

きよげなる男 枕草子
中巻上
146段
碁を
恐ろしげ

(旧)大系:146段
新大系:139段、新編全集:140段
(以上全て三巻本系列本。しかし後二本の構成は2/3が一致せず混乱を招くので、以後、三巻本理論の根本たる『(旧)大系』に準拠すべきと思う)
(旧)全集=能因本:149段
 


 
 碁を、やむごとなき人のうつとて、紐うち解き、ないがしろなるけしきに拾ひ置くに、おとりたる人の、ゐづまひもかしこまりたるけしきにて、碁盤よりはすこし遠くておよびて、袖の下はいま片手してひかへなどして、うちゐたるもをかし。