| 目次 | |||||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
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747 業× |
748 仲平 |
749 兼輔 |
750 躬恒 |
||||||
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751 元方 |
752 不知 |
753 友則 |
754 不知 |
755 不知 |
756 伊勢 |
757 不知 |
758 不知 |
759 不知 |
760 不知 |
|
761 不知 |
762 不知 |
763 不知 |
764 不知 |
765 不知 |
766 不知 |
767 不知 |
768 兼芸 |
769 貞登 |
770 遍昭 |
|
771 遍昭 |
772 不知 |
773 不知 |
774 不知 |
775 不知 |
776 不知 |
777 不知 |
778 不知 |
779 兼覧 |
780 伊勢 |
|
781 雲林 |
782 小町 |
783 貞樹 |
784 有常女× |
785 業× |
786 景式 |
787 友則 |
788 宗于 |
789 兵衛 |
790 小町姉? |
|
791 伊勢 |
792 友則 |
793 不知 |
794 躬恒 |
795 不知 |
796 不知 |
797 小町 |
798 不知 |
799 素性 |
800 不知 |
|
801 宗于 |
802 素性 |
803 素性 |
804 貫之 |
805 不知 |
806 不知 |
807 直子 |
808 稲葉? |
809 忠臣 |
810 伊勢 |
|
811 不知 |
812 不知 |
813 不知 |
814 興風 |
815 不知 |
816 不知 |
817 不知 |
818 不知 |
819 不知 |
820 不知 |
|
821 不知 |
822 小町 |
823 貞文 |
824 不知 |
825 不知 |
826 是則 |
827 友則 |
828 不知 |
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|
※不知が50%(41/82)。恋一の次に歌が多く全体では二番目に歌が多い巻。 |
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| 0747 | |
|---|---|
| 詞書 |
五条のきさいの宮の にしのたいにすみける人に ほいにはあらてものいひわたりけるを、 む月のとをかあまりに なむほかへかくれにける、あり所はききけれとえ物もいはて、 又のとしのはるむめの花さかりに 月のおもしろかりける夜、 こそをこひてかのにしのたいにいきて月のかたふくまて あはらなるいたしきにふせりてよめる |
| 作者 | 在原業平朝臣(※問題あり) |
| 原文 |
月やあらぬ 春や昔の 春ならぬ わか身ひとつは もとの身にして |
| かな |
つきやあらぬ はるやむかしの はるならぬ わかみひとつは もとのみにして |
| コメ |
出典:伊勢4段(西の対)。 |
| 0748 | |
| 詞書 | 題しらす |
| 作者 | 藤原なかひらの朝臣(藤原仲平) |
| 原文 |
花すすき 我こそしたに 思ひしか ほにいてて人に むすはれにけり |
| かな |
はなすすき われこそしたに おもひしか ほにいててひとに むすはれにけり |
| 0749 | |
| 詞書 | 題しらす |
| 作者 | 藤原かねすけの朝臣(藤原兼輔) |
| 原文 |
よそにのみ きかましものを おとは河 渡るとなしに 見なれそめけむ |
| かな |
よそにのみ きかましものを おとはかは わたるとなしに みなれそめけむ |
| 0750 | |
| 詞書 | 題しらす |
| 作者 | 凡河内みつね(凡河内躬恒) |
| 原文 |
わかことく 我をおもはむ 人もかな さてもやうきと 世を心みむ |
| かな |
わかことく われをおもはむ ひともかな さてもやうきと よをこころみむ |
| 0751 | |
| 詞書 | 題しらす |
| 作者 | もとかた(在原元方) |
| 原文 |
久方の あまつそらにも すまなくに 人はよそにそ 思ふへらなる |
| かな |
ひさかたの あまつそらにも すまなくに ひとはよそにそ おもふへらなる |
| 0752 | |
| 詞書 | 題しらす |
| 作者 | よみひとしらす |
| 原文 |
見ても又 またも見まくの ほしけれは なるるを人は いとふへらなり |
| かな |
みてもまた またもみまくの ほしけれは なるるをひとは いとふへらなり |
| 0753 | |
| 詞書 | 題しらす |
| 作者 | きのとものり(紀友則) |
| 原文 |
雲もなく なきたるあさの 我なれや いとはれてのみ 世をはへぬらむ |
| かな |
くももなく なきたるあさの われなれや いとはれてのみ よをはへぬらむ |
| 0754 | |
| 詞書 | 題しらす |
| 作者 | よみ人しらす |
| 原文 |
花かたみ めならふ人の あまたあれは わすられぬらむ かすならぬ身は |
| かな |
はなかたみ めならふひとの あまたあれは わすられぬらむ かすならぬみは |
| 0755 | |
| 詞書 | 題しらす |
| 作者 | よみ人しらす |
| 原文 |
うきめのみ おひて流るる 浦なれは かりにのみこそ あまはよるらめ |
| かな |
うきめのみ おひてなかるる うらなれは かりにのみこそ あまはよるらめ |
| 0756 | |
| 詞書 | 題しらす |
| 作者 | 伊勢(伊勢の御) |
| 原文 |
あひにあひて 物思ふころの わか袖に やとる月さへ ぬるるかほなる |
| かな |
あひにあひて ものおもふころの わかそてに やとるつきさへ ぬるるかほなる |
| 0757 | |
| 詞書 | 題しらす |
| 作者 | よみ人しらす |
| 原文 |
秋ならて おく白露は ねさめする わかた枕の しつくなりけり |
| かな |
あきならて おくしらつゆは ねさめする わかたまくらの しつくなりけり |
| 0758 | |
| 詞書 | 題しらす |
| 作者 | よみ人しらす |
| 原文 |
すまのあまの しほやき衣 をさをあらみ まとほにあれや 君かきまさぬ |
| かな |
すまのあまの しほやきころも をさをあらみ まとほにあれや きみかきまさぬ |
| 0759 | |
| 詞書 | 題しらす |
| 作者 | よみ人しらす |
| 原文 |
山しろの よとのわかこも かりにたに こぬ人たのむ 我そはかなき |
| かな |
やましろの よとのわかこも かりにたに こぬひとたのむ われそはかなき |
| 0760 | |
| 詞書 | 題しらす |
| 作者 | よみ人しらす |
| 原文 |
あひ見ねは こひこそまされ みなせ河 なににふかめて 思ひそめけむ |
| かな |
あひみねは こひこそまされ みなせかは なににふかめて おもひそめけむ |
| 0761 | |
| 詞書 | 題しらす |
| 作者 | よみ人しらす |
| 原文 |
暁の しきのはねかき ももはかき 君かこぬ夜は 我そかすかく |
| かな |
あかつきの しきのはねかき ももはかき きみかこぬよは われそかすかく |
| 0762 | |
| 詞書 | 題しらす |
| 作者 | よみ人しらす |
| 原文 |
玉かつら 今はたゆとや 吹く風の おとにも人の きこえさるらむ |
| かな |
たまかつら いまはたゆとや ふくかせの おとにもひとの きこえさるらむ |
| 0763 | |
| 詞書 | 題しらす |
| 作者 | よみ人しらす |
| 原文 |
わか袖に またき時雨の ふりぬるは 君か心に 秋やきぬらむ |
| かな |
わかそてに またきしくれの ふりぬるは きみかこころに あきやきぬらむ |
| 0764 | |
| 詞書 | 題しらす |
| 作者 | よみ人しらす |
| 原文 |
山の井の 浅き心も おもはぬに 影はかりのみ 人の見ゆらむ |
| かな |
やまのゐの あさきこころも おもはぬに かけはかりのみ ひとのみゆらむ |
| 0765 | |
| 詞書 | 題しらす |
| 作者 | よみ人しらす |
| 原文 |
忘草 たねとらましを 逢ふ事の いとかくかたき 物としりせは |
| かな |
わすれくさ たねとらましを あふことの いとかくかたき ものとしりせは |
| 0766 | |
| 詞書 | 題しらす |
| 作者 | よみ人しらす |
| 原文 |
こふれとも 逢ふ夜のなきは 忘草 夢ちにさへや おひしけるらむ |
| かな |
こふれとも あふよのなきは わすれくさ ゆめちにさへや おひしけるらむ |
| 0767 | |
| 詞書 | 題しらす |
| 作者 | よみ人しらす |
| 原文 |
夢にたに あふ事かたく なりゆくは 我やいをねぬ 人やわするる |
| かな |
ゆめにたに あふことかたく なりゆくは われやいをねぬ ひとやわするる |
| 0768 | |
| 詞書 | 題しらす |
| 作者 | けむけい法し(兼芸法師) |
| 原文 |
もろこしも 夢に見しかは ちかかりき おもはぬ中そ はるけかりける |
| かな |
もろこしも ゆめにみしかは ちかかりき おもはぬなかそ はるけかりける |
| 0769 | |
| 詞書 | 題しらす |
| 作者 | さたののほる(貞登、仁明の皇子) |
| 原文 |
独のみ なかめふるやの つまなれは 人を忍ふの 草そおひける |
| かな |
ひとりのみ なかめふるやの つまなれは ひとをしのふの くさそおひける |
| 0770 | |
| 詞書 | 題しらす |
| 作者 | 僧正へんせう(遍昭、良岑宗貞) |
| 原文 |
わかやとは 道もなきまて あれにけり つれなき人を まつとせしまに |
| かな |
わかやとは みちもなきまて あれにけり つれなきひとを まつとせしまに |
| 0771 | |
| 詞書 | 題しらす |
| 作者 | 僧正へんせう(遍昭、良岑宗貞) |
| 原文 |
今こむと いひてわかれし 朝より 思ひくらしの ねをのみそなく |
| かな |
いまこむと いひてわかれし あしたより おもひくらしの ねをのみそなく |
| 0772 | |
| 詞書 | 題しらす |
| 作者 | よみ人しらす |
| 原文 |
こめやとは 思ふものから ひくらしの なくゆふくれは たちまたれつつ |
| かな |
こめやとは おもふものから ひくらしの なくゆふくれは たちまたれつつ |
| 0773 | |
| 詞書 | 題しらす |
| 作者 | よみ人しらす |
| 原文 |
今しはと わひにしものを ささかにの 衣にかかり 我をたのむる |
| かな |
いましはと わひにしものを ささかにの ころもにかかり われをたのむる |
| 0774 | |
| 詞書 | 題しらす |
| 作者 | よみ人しらす |
| 原文 |
いまはこしと 思ふものから 忘れつつ またるる事の またもやまぬか |
| かな |
いまはこしと おもふものから わすれつつ またるることの またもやまぬか |
| 0775 | |
| 詞書 | 題しらす |
| 作者 | よみ人しらす |
| 原文 |
月よには こぬ人またる かきくもり 雨もふらなむ わひつつもねむ |
| かな |
つきよには こぬひとまたる かきくもり あめもふらなむ わひつつもねむ |
| 0776 | |
| 詞書 | 題しらす |
| 作者 | よみ人しらす |
| 原文 |
うゑていにし 秋田かるまて 見えこねは けさはつかりの ねにそなきぬる |
| かな |
うゑていにし あきたかるまて みえこねは けさはつかりの ねにそなきぬる |
| 0777 | |
| 詞書 | 題しらす |
| 作者 | よみ人しらす |
| 原文 |
こぬ人を まつゆふくれの 秋風は いかにふけはか わひしかるらむ |
| かな |
こぬひとを まつゆふくれの あきかせは いかにふけはか わひしかるらむ |
| 0778 | |
| 詞書 | 題しらす |
| 作者 | よみ人しらす |
| 原文 |
ひさしくも なりにけるかな すみのえの 松はくるしき 物にそありける |
| かな |
ひさしくも なりにけるかな すみのえの まつはくるしき ものにそありける |
| 0779 | |
| 詞書 | 題しらす |
| 作者 | かねみのおほきみ(兼覧王) |
| 原文 |
住の江の 松ほとひさに なりぬれは あしたつのねに なかぬ日はなし |
| かな |
すみのえの まつほとひさに なりぬれは あしたつのねに なかぬひはなし |
| 0780 | |
| 詞書 |
仲平朝臣あひしりて侍りけるを かれ方になりにけれは、 ちちかやまとのかみに侍りけるもとへ まかるとてよみてつかはしける |
| 作者 | 伊勢(伊勢の御) |
| 原文 |
みわの山 いかにまち見む 年ふとも たつぬる人も あらしと思へは |
| かな |
みわのやま いかにまちみむ としふとも たつぬるひとも あらしとおもへは |
| 0781 | |
| 詞書 | 題しらす |
| 作者 | 雲林院のみこ(常康親王、仁明の皇子) |
| 原文 |
吹きまよふ 野風をさむみ 秋はきの うつりも行くか 人の心の |
| かな |
ふきまよふ のかせをさむみ あきはきの うつりもゆくか ひとのこころの |
| 0782 | |
| 詞書 | 題しらす |
| 作者 | をののこまち(小野小町) |
| 原文 |
今はとて わか身時雨に ふりぬれは 事のはさへに うつろひにけり |
| かな |
いまはとて わかみしくれに ふりぬれは ことのはさへに うつろひにけり |
| 0783 | |
| 詞書 | 返し |
| 作者 | 小野さたき(小野貞樹) |
| 原文 |
人を思ふ 心のこのはに あらはこそ 風のまにまに ちりみたれめ |
| かな |
ひとをおもふ こころのこのはに あらはこそ かせのまにまに ちりもみたれめ |
| 0784 | |
| 詞書 |
業平朝臣(※問題あり)、 きのありつねかむすめにすみけるを、 うらむることありて しはしのあひたひるはきて ゆふさりはかへりのみしけれは よみてつかはしける |
| 作者 | きのありつねかむすめ(有常女※問題あり) |
| 原文 |
あま雲の よそにも人の なりゆくか さすかにめには 見ゆるものから |
| かな |
あまくもの よそにもひとの なりゆくか さすかにめには みゆるものから |
| コメ |
出典:伊勢19段(天雲のよそ)。 「むかし、男、宮仕へしける女の方に、 御達なりける人をあひ知りたりける。 ほどもなくかれにけり。 おなじ所なれば、女の目には見ゆるものから、男はあるものかと思ひたらず。 女、『天雲の よそにも人の なりゆくか さすがに目には 見ゆるものから』」 |
| 0785 | |
| 詞書 | 返し |
| 作者 | なりひらの朝臣(在原業平)(※問題あり) |
| 原文 |
ゆきかへり そらにのみして ふる事は わかゐる山の 風はやみなり |
| かな |
ゆきかへり そらにのみして ふることは わかゐるやまの かせはやみなり |
| コメ |
出典:伊勢19段(天雲のよそ)。 「とよめりければ、男、返し、 『天雲の よそにのみして 経ることは わが居る山の 風はやみなり』 とよめりけるは、 また男ある人となむいひける。」 |
| 0786 | |
| 詞書 | 題しらす |
| 作者 | かけのりのおほきみ(景式王) |
| 原文 |
唐衣 なれは身にこそ まつはれめ かけてのみやは こひむと思ひし |
| かな |
からころも なれはみにこそ まつはれめ かけてのみやは こひむとおもひし |
| 0787 | |
| 詞書 | 題しらす |
| 作者 | とものり(紀友則) |
| 原文 |
秋風は 身をわけてしも ふかなくに 人の心の そらになるらむ |
| かな |
あきかせは みをわけてしも ふかなくに ひとのこころの そらになるらむ |
| 0788 | |
| 詞書 | 題しらす |
| 作者 | 源宗于朝臣 |
| 原文 |
つれもなく なりゆく人の 事のはそ 秋よりさきの もみちなりける |
| かな |
つれもなく なりゆくひとの ことのはそ あきよりさきの もみちなりける |
| 0789 | |
| 詞書 |
心地そこなへりけるころ、 あひしりて侍りける人のとはて ここちおこたりてのちとふらへりけれは、 よみてつかはしける |
| 作者 | 兵衛 |
| 原文 |
しての山 ふもとを見てそ かへりにし つらき人より まつこえしとて |
| かな |
してのやま ふもとをみてそ かへりにし つらきひとより まつこえしとて |
| 0790 | |
| 詞書 |
あひしれりける人の やうやくかれかたになりけるあひたに、 やけたるちのはに ふみをさしてつかはせりける |
| 作者 | こまちかあね(※小野小町) |
| 原文 |
時すきて かれゆくをのの あさちには 今は思ひそ たえすもえける |
| かな |
ときすきて かれゆくをのの あさちには いまはおもひそ たえすもえける |
| コメ |
→「こまちがあね」は小町の姉ではなく、 小町姉さん(あねさん)と見るのが自然。 「つらゆき」「とものり」のようなノリの、親しみを込めた敬称。 「姉さん」といっても別人とは限らない。 |
| 0791 | |
| 詞書 |
物おもひけるころ、ものへまかりけるみちに 野火のもえけるを見てよめる |
| 作者 | 伊勢(伊勢の御) |
| 原文 |
冬かれの のへとわか身を 思ひせは もえても春を またましものを |
| かな |
ふゆかれの のへとわかみを おもひせは もえてもはるを またましものを |
| 0792 | |
| 詞書 | 題しらす |
| 作者 | とものり(紀友則) |
| 原文 |
水のあわの きえてうき身と いひなから 流れて猶も たのまるるかな |
| かな |
みつのあわの きえてうきみと いひなから なかれてなほも たのまるるかな |
| 0793 | |
| 詞書 | 題しらす |
| 作者 | よみ人しらす |
| 原文 |
みなせ河 有りて行く水 なくはこそ つひにわか身を たえぬと思はめ |
| かな |
みなせかは ありてゆくみつ なくはこそ つひにわかみを たえぬとおもはめ |
| 0794 | |
| 詞書 | 題しらす |
| 作者 | みつね(凡河内躬恒) |
| 原文 |
吉野河 よしや人こそ つらからめ はやくいひてし 事はわすれし |
| かな |
よしのかは よしやひとこそ つらからめ はやくいひてし ことはわすれし |
| 0795 | |
| 詞書 | 題しらす |
| 作者 | よみ人しらす |
| 原文 |
世中の 人の心は 花そめの うつろひやすき 色にそありける |
| かな |
よのなかの ひとのこころは はなそめの うつろひやすき いろにそありける |
| 0796 | |
| 詞書 | 題しらす |
| 作者 | よみ人しらす |
| 原文 |
心こそ うたてにくけれ そめさらは うつろふ事も をしからましや |
| かな |
こころこそ うたてにくけれ そめさらは うつろふことも をしからましや |
| 0797 | |
| 詞書 | 題しらす |
| 作者 | 小野小町 |
| 原文 |
色見えて うつろふ物は 世中の 人の心の 花にそ有りける |
| かな |
いろみえて うつろふものは よのなかの ひとのこころの はなにそありける |
| 0798 | |
| 詞書 | 題しらす |
| 作者 | よみ人しらす |
| 原文 |
我のみや 世をうくひすと なきわひむ 人の心の 花とちりなは |
| かな |
われのみや よをうくひすと なきわひむ ひとのこころの はなとちりなは |
| 0799 | |
| 詞書 | 題しらす |
| 作者 | そせい法し(素性法師) |
| 原文 |
思ふとも かれなむ人を いかかせむ あかすちりぬる 花とこそ見め |
| かな |
おもふとも かれなむひとを いかかせむ あかすちりぬる はなとこそみめ |
| 0800 | |
| 詞書 | 題しらす |
| 作者 | よみ人しらす |
| 原文 |
今はとて 君かかれなは わかやとの 花をはひとり 見てやしのはむ |
| かな |
いまはとて きみかかれなは わかやとの はなをはひとり みてやしのはむ |
| 0801 | |
| 詞書 | 題しらす |
| 作者 | むねゆきの朝臣(源宗于) |
| 原文 |
忘草 かれもやすると つれもなき 人の心に しもはおかなむ |
| かな |
わすれくさ かれもやすると つれもなき ひとのこころに しもはおかなむ |
| 0802 | |
| 詞書 |
寛平御時、御屏風に歌かかせ給ひける時、 よみてかきける |
| 作者 | そせい法し(素性法師) |
| 原文 |
忘草 なにをかたねと 思ひしは つれなき人の 心なりけり |
| かな |
わすれくさ なにをかたねと おもひしは つれなきひとの こころなりけり |
| 0803 | |
| 詞書 | 題しらす |
| 作者 | そせい法し(素性法師) |
| 原文 |
秋の田の いねてふ事も かけなくに 何をうしとか 人のかるらむ |
| かな |
あきのたの いねてふことも かけなくに なにをうしとか ひとのかるらむ |
| 0804 | |
| 詞書 | 題しらす |
| 作者 | きのつらゆき(紀貫之) |
| 原文 |
はつかりの なきこそわたれ 世中の 人の心の 秋しうけれは |
| かな |
はつかりの なきこそわたれ よのなかの ひとのこころの あきしうけれは |
| 0805 | |
| 詞書 | 題しらす |
| 作者 | よみ人しらす |
| 原文 |
あはれとも うしとも物を 思ふ時 なとか涙の いとなかるらむ |
| かな |
あはれとも うしともものを おもふとき なにかなみたの いとなかるらむ |
| 0806 | |
| 詞書 | 題しらす |
| 作者 | よみ人しらす |
| 原文 |
身をうしと 思ふにきえぬ 物なれは かくてもへぬる よにこそ有りけれ |
| かな |
みをうしと おもふにきえぬ ものなれは かくてもへぬる よにこそありけれ |
| 0807 | |
| 詞書 | 題しらす |
| 作者 | 典侍藤原直子朝臣 |
| 原文 |
あまのかる もにすむむしの 我からと ねをこそなかめ 世をはうらみし |
| かな |
あまのかる もにすむむしの われからと ねをこそなかめ よをはうらみし |
| コメ |
出典:伊勢65段(在原なりける男)。 「(人目もはばからずおしかけ、恋の祈祷などしている在原なりける男の振る舞いを陳情し)女はいたう泣きけり。 「かゝる君に仕うまつらで、宿世つたなく悲しきこと、この(※在原なりける)男にほだされて」とてなむ泣きにける。 かゝるほどに帝聞しめして、この男をば流しつかはしてければ、 この女のいとこの御息所、女をばまかでさせて、蔵に籠めてしをり給うければ、蔵に籠りて泣く。 『あまの刈る 藻にすむ虫の 我からと 音をこそなかめ 世をばうらみじ』と泣きれば、 この男、人の国より夜ごとに来つゝ、」 |
| 0808 | |
| 詞書 | 題しらす |
| 作者 | いなは(『古今和歌集目録』では稲葉) |
| 原文 |
あひ見ぬも うきもわか身の から衣 思ひしらすも とくるひもかな |
| かな |
あひみぬも うきもわかみの からころも おもひしらすも とくるひもかな |
| 0809 | |
| 詞書 | 寛平御時きさいの宮の歌合のうた |
| 作者 | すかののたたおむ(菅野忠臣?) |
| 原文 |
つれなきを 今はこひしと おもへとも 心よわくも おつる涙か |
| かな |
つれなきを いまはこひしと おもへとも こころよわくも おつるなみたか |
| 0810 | |
| 詞書 | 題しらす |
| 作者 | 伊勢(伊勢の御) |
| 原文 |
人しれす たえなましかは わひつつも なき名そとたに いはましものを |
| かな |
ひとしれす たえなましかは わひつつも なきなそとたに いはましものを |
| 0811 | |
| 詞書 | 題しらす |
| 作者 | よみ人しらす |
| 原文 |
それをたに 思ふ事とて わかやとを 見きとないひそ 人のきかくに |
| かな |
それをたに おもふこととて わかやとを みきとないひそ ひとのきかくに |
| 0812 | |
| 詞書 | 題しらす |
| 作者 | よみ人しらす |
| 原文 |
逢ふ事の もはらたえぬる 時にこそ 人のこひしき こともしりけれ |
| かな |
あふことの もはらたえぬる ときにこそ ひとのこひしき こともしりけれ |
| 0813 | |
| 詞書 | 題しらす |
| 作者 | よみ人しらす |
| 原文 |
わひはつる 時さへ物の 悲しきは いつこをしのふ 涙なるらむ |
| かな |
わひはつる ときさへものの かなしきは いつこをしのふ なみたなるらむ |
| 0814 | |
| 詞書 | 題しらす |
| 作者 | 藤原おきかせ(藤原興風) |
| 原文 |
怨みても なきてもいはむ 方そなき かかみに見ゆる 影ならすして |
| かな |
うらみても なきてもいはむ かたそなき かかみにみゆる かけならすして |
| 0815 | |
| 詞書 | 題しらす |
| 作者 | よみ人しらす |
| 原文 |
夕されは 人なきとこを 打ちはらひ なけかむためと なれるわかみか |
| かな |
ゆふされは ひとなきとこを うちはらひ なけかむためと なれるわかみか |
| 0816 | |
| 詞書 | 題しらす |
| 作者 | よみ人しらす |
| 原文 |
わたつみの わか身こす浪 立返り あまのすむてふ うらみつるかな |
| かな |
わたつみの わかみこすなみ たちかへり あまのすむてふ うらみつるかな |
| 0817 | |
| 詞書 | 題しらす |
| 作者 | よみ人しらす |
| 原文 |
あらを田を あらすきかへし かへしても 人の心を 見てこそやまめ |
| かな |
あらをたを あらすきかへし かへしても ひとのこころを みてこそやまめ |
| 0818 | |
| 詞書 | 題しらす |
| 作者 | よみ人しらす |
| 原文 |
有そ海の 浜のまさこと たのめしは 忘るる事の かすにそ有りける |
| かな |
ありそうみの はまのまさこと たのめしは わするることの かすにそありける |
| 0819 | |
| 詞書 | 題しらす |
| 作者 | よみ人しらす |
| 原文 |
葦辺より 雲ゐをさして 行く雁の いやとほさかる わか身かなしも |
| かな |
あしへより くもゐをさして ゆくかりの いやとほさかる わかみかなしも |
| 0820 | |
| 詞書 | 題しらす |
| 作者 | よみ人しらす |
| 原文 |
しくれつつ もみつるよりも 事のはの 心の秋に あふそわひしき |
| かな |
しくれつつ もみつるよりも ことのはの こころのあきに あふそわひしき |
| 0821 | |
| 詞書 | 題しらす |
| 作者 | よみ人しらす |
| 原文 |
秋風の ふきとふきぬる むさしのは なへて草はの 色かはりけり |
| かな |
あきかせの ふきとふきぬる むさしのは なへてくさはの いろかはりけり |
| 0822 | |
| 詞書 | 題しらす |
| 作者 | 小町(小野小町) |
| 原文 |
あきかせに あふたのみこそ かなしけれ わか身むなしく なりぬと思へは |
| かな |
あきかせに あふたのみこそ かなしけれ わかみむなしく なりぬとおもへは |
| 0823 | |
| 詞書 | 題しらす |
| 作者 | 平貞文 |
| 原文 |
秋風の 吹きうらかへす くすのはの うらみても猶 うらめしきかな |
| かな |
あきかせの ふきうらかへす くすのはの うらみてもなほ うらめしきかな |
| 0824 | |
| 詞書 | 題しらす |
| 作者 | よみ人しらす |
| 原文 |
あきといへは よそにそききし あた人の 我をふるせる 名にこそ有りけれ |
| かな |
あきといへは よそにそききし あたひとの われをふるせる なにこそありけれ |
| 0825 | |
| 詞書 |
題しらす/又は、 こなたかなたに人もかよはす |
| 作者 | よみ人しらす |
| 原文 |
わすらるる 身をうちはしの 中たえて 人もかよはぬ 年そへにける |
| かな |
わすらるる みをうちはしの なかたえて ひともかよはぬ としそへにける |
| 0826 | |
| 詞書 | 題しらす |
| 作者 | 坂上これのり(坂上是則) |
| 原文 |
あふ事を なからのはしの なからへて こひ渡るまに 年そへにける |
| かな |
あふことを なからのはしの なからへて こひわたるまに としそへにける |
| 0827 | |
| 詞書 | 題しらす |
| 作者 | とものり(紀友則) |
| 原文 |
うきなから けぬるあわとも なりななむ 流れてとたに たのまれぬ身は |
| かな |
うきなから けぬるあわとも なりななむ なかれてとたに たのまれぬみは |
| 0828 | |
| 詞書 | 題しらす |
| 作者 | 読人しらす(よみ人しらす) |
| 原文 |
流れては 妹背の山の なかにおつる よしのの河の よしや世中 |
| かな |
なかれては いもせのやまの なかにおつる よしののかはの よしやよのなか |
