古事記 古波陀嬢子の歌~原文対訳

よさみの池の歌 古事記
中巻⑧
15代 応神天皇
愛の歌物語
7 古波陀嬢子の歌
吉野クズの歌
原文 書き下し
(武田祐吉)
現代語訳
(武田祐吉)
故被賜其孃子之後。 かれその孃子を賜はりて後に、 その孃子を賜わつてから後に
太子歌曰。 太子ひつぎのみこの
歌よみしたまひしく、
太子の
お詠みになつた歌、
     
美知能斯理 道の後しり 遠い國の
古波陀袁登賣袁 古波陀孃子こはだをとめを、 古波陀こはだのお孃さんを、
迦微能碁登 雷かみのごと 雷鳴かみなりのように
岐許延斯迦杼母 聞えしかども 音高く聞いていたが、
阿比麻久良麻久 相枕あひまくら纏まく。 わたしの妻つまとしたことだつた。
     
又歌曰。  また、歌よみしたまひしく、  また、
     
美知能斯理 道の後 遠い國の
古波陀袁登賣波 古波陀孃子は、 古波陀こはだのお孃さんが、
阿良蘇波受 爭はず 爭わずに
泥斯久袁斯叙母 寢しくをしぞも、 わたしの妻となつたのは、
宇流波志美意母布 愛うるはしみ思おもふ。 かわいい事さね。
     
  と歌ひたまひき。  
よさみの池の歌 古事記
中巻⑧
15代 応神天皇
愛の歌物語
7 古波陀嬢子の歌
吉野クズの歌