紫式部集121 挑む人:原文対訳・逐語分析

120たづきなき 紫式部集
第十一部
終の予感

121挑む人
異本111
122恋ひわびて
原文
実践女子大本
(定家本系筆頭)
現代語訳
(渋谷栄一)
注釈
【渋谷栄一】
返し、  返歌、 【返し】-一二〇番歌に対する返歌。友人の女房。
     
挑む人 相撲に挑む人が  
あまた聞こゆる 大勢いると聞こえた  
百敷の 宮中の  
相撲憂しとは 相撲が中止になって、どんなに残念なことかと分っていただけるでしょうか、 【相撲憂し】-相撲が雨で中止になって残念の意。「相撲」に「住まひ」を掛ける。「すまゐ」は平安の仮名遣い。
思ひ知るやは 宮仕え生活の辛さも思い知られましょう 【思ひ知るやは】-係助詞「やは」疑問の意。
     
雨降りて、  雨が降って、  
その日は御覧とどまりにけり。 当日は帝の御覧が中止になってしまった。  
あいなの公事どもや。 つまらい公事であったわ。