紫式部集19 行きめぐり:原文対訳・逐語分析

18あひ見むと 紫式部集
第一部
若かりし頃

19行きめぐり
20三尾の海に
原文
(実践女子大本)
現代語訳
(渋谷栄一)
注釈
【渋谷栄一】
返し、  返歌は、  
又の年もてきたり。 翌年に持って来た。 【又の年】-紫式部が越前に下り、女友だちが西の海に下った翌年、すなわち長徳三年(九九七)。
     
行きめぐり めぐり  
逢ふを松浦の 逢うことを待つという、松浦の 【松浦の鏡】-「松浦」に「待つ」を掛ける。
鏡には 鏡の神に対して  
誰れをかけつつ 誰を心にかけつつ 「鏡」と「かける」は縁語。
祈るとか知る 祈っているとあなたはお分かりでしょうか 【祈るとか知る】-係助詞「か」疑問、「知る」連体形、係結びの法則。