紫式部集81 名に高き:原文対訳・逐語分析

80ましもなほ 紫式部集
第七部
栄花と追憶

81名に高き
異本72
82心あてに
原文
(実践女子大本)
現代語訳
(渋谷栄一)
注釈
【渋谷栄一】
湖にて  琵琶湖で  
伊吹の山の 伊吹山の 【伊吹の山】-「伊翠山」は近江国と美濃国との間にある歌枕。
雪いと白く見ゆるを、 雪がたいそう白く見えるのを、  
     
名に高き 名高い  
越の白山 越の白山に行き、 【越の白山】-「白山」は越前国の歌枕。
雪なれて その雪を見慣れているので 【雪なれて】-「雪」と「行き」の掛詞。
伊吹の岳を 伊吹山の雪は  
何とこそ見ね 何とも思わないことだ