紫式部集24 おいつ島:原文対訳・逐語分析

23知りぬらむ 紫式部集
第二部
近江・越前

24おいつ島
25ここにかく
原文
(実践女子大本)
現代語訳
(渋谷栄一)
注釈
【渋谷栄一】
湖に、  琵琶湖で、  
おいつ島といふ おいつ島という 【おいつ島】-近江国蒲生郡にある奥津嶋神社(大島奥津嶋神社)のある島か。
洲崎に向かひて、 洲崎に向かって、  
わらはべの浦といふ わらわべの浦という 【わらはべの浦】-所在地不明。
入り海のをかしきを、 入り海がおもしろいので、 【をかしきを】-「老つ島」に対して「童べの浦」という反対語の名称がおもしろいので。実践本「おかし」は定家の仮名遣い。
口ずさびに、 口すさみに、  
     
おいつ島 おいつ島を  
島守る神や 守る神様は  
いさむらむ 静かになさいと諌めるのでしょう  
波も騒がぬ 波も騒がない 【騒がぬ】-「さはく」は平安の仮名遣い。
わらはべの浦 わらわべの浦ですこと