源氏物語 紅梅:巻別和歌4首・逐語分析

匂兵部卿 源氏物語
和歌一覧
各巻別内訳
43帖 紅梅
竹河

 
 源氏物語・紅梅(こうばい)巻の和歌4首を抜粋一覧化し、現代語訳と歌い手を併記、原文対訳の該当部と通じさせた。

 

 内訳:2×2(紅梅大納言=按察使大納言=柏木弟、匂宮=匂兵部卿 =今上帝三宮)※最初最後
 

紅梅・和歌の対応の程度と歌数
和歌間の文字数
即答 0  40字未満
応答 2首  40~100字未満
対応 2首  ~400~1000字+対応関係文言
単体 0  単一独詠・直近非対応

※分類について和歌一覧・総論部分参照。

 

→【PC向け表示
 上下の句に分割したバージョン。見やすさに応じて。

 なお、付属の訳はあくまで通説的理解の一例なので、訳が原文から離れたり対応していない場合、より精度の高い訳を検討されたい。
 


  原文
(定家本校訂)
現代語訳
(渋谷栄一)
591
心ありて
風の匂はす
園の
まづ鴬の
はずやあるべき
〔紅梅大納言:柏木弟〕考えがあって
風が匂わす
園の梅に
さっそく鴬が
来ないことがありましょうか
592
花の香
誘はれぬべき
身なりせば
風のたよりを
過ぐさましやは
〔匂宮:今上三宮〕花の香に
誘われそうな
身であったら
風の便りを
そのまま黙っていましょうか
593
本つ
へる君が
袖触れ
もえならぬ
名をや散らさむ
〔紅梅大納言〕もともとの香りが
匂っていらっしゃるあなたが
袖を振ると
花も素晴らしい
評判を得ることでしょう
594
花の香
匂はす宿に
めゆかば
色にめづとや
人の咎めむ
〔匂宮〕花の香を
匂わしていらっしゃる宿に
訪ねていったら
好色な人だと
人が咎めるのではないでしょうか