徒然草5段 不幸に愁へにしづめる人:原文

後の世 徒然草
第一部
5段
不幸に愁へに
わが身

 
 不幸に愁へにしづめる人の、頭おろしなど、ふつつかに思ひとりたるにはあらで、あるかなきかに門さしこめて、待つこともなく明かし暮らしたる、はるかにあらまほし。
 

 顕基中納言の言ひけむ、配所の月、罪なくて見むこと、さも覚えぬべし。