枕草子287段 神は

檜扇は 枕草子
下巻中
287段
神は
崎は

(旧)大系:287段
新大系:268段、新編全集:269段
(以上全て三巻本系列本。しかし後二本の構成は2/3が一致せず混乱を招くので、以後は最も索引性に優れ三巻本理論の根本たる『(旧)大系』に準拠すべきと思う)
(旧)全集=能因本:266段
 


 
 神は 松の尾。

 八幡、この国の帝にておはしけむこそめでたけれ。行幸などに、なぎ(水葱/な木)の花の御輿にたてまつる、いとめでたし。

 大原野、春日いとめでたくおはします。

 平野は、いたづら屋のありしを、「なにする所ぞ」と問ひしに、「御輿宿(みこしやどり)」といひしも、いとめでたし。

 斎垣(いがき)に蔦などのいと多くかかりて、もみぢの色々ありしも、「秋にはあへず」と貫之が歌思ひ出でられて、つくづくとひさしうこそ立てられしか。

 みこもりの神、またをかし。

 賀茂、さらなり。

 稲荷。
 
 


檜扇は 枕草子
下巻中
287段
神は
崎は