枕草子271段 人の顔に、とり分きて

人のうへ 枕草子
下巻中
271段
人の顔に
古代の人の

(旧)大系:271段
新大系:252段、新編全集:253段
(以上全て三巻本系列本。しかし後二本の構成は2/3が一致せず混乱を招くので、以後は最も索引性に優れ三巻本理論の根本たる『(旧)大系』に準拠すべきと思う)
(旧)全集=能因本:312段
 

旧全集段冒頭:人の顔にとりつきて


 
 人の顔に、とり分きてよしと見ゆる所は、たびごとに見れども、あなをかし。めづらしきとこそおぼゆれ。絵など、あまたたび見れば、目もたたずかし。近う立てたる屏風の絵などは、いとめでたけれども、見も入れられず。
 

 人のかたちはをかしうこそあれ。にくげなる調度の中にも、一つよき所のまもらるるよ。みにくきもさこそはあらめと思ふこそわびしけれ。
 
 

人のうへ 枕草子
下巻中
271段
人の顔に
古代の人の