源氏物語 常夏:巻別和歌4首・逐語分析

源氏物語
和歌一覧
各巻別内訳
26帖 常夏
篝火

 
 源氏物語・常夏(とこなつ)巻の和歌4首を抜粋一覧化し、現代語訳と歌い手を併記、原文対訳の該当部と通じさせた。

 

 内訳:1×4(源氏、玉鬘、近江君、中納言君=弘徽殿女御方女房)※最初最後
 

常夏・和歌の対応の程度と歌数
和歌間の文字数
即答 2首  40字未満
応答 0  40~100字未満
対応 2首  ~400~1000字+対応関係文言
単体 0  単一独詠・直近非対応

※分類について和歌一覧・総論部分参照。

 

→【PC向け表示
 上下の句に分割したバージョン。見やすさに応じて。

 なお、付属の訳はあくまで通説的理解の一例なので、訳が原文から離れたり対応していない場合、より精度の高い訳を検討されたい。
 


  原文
(定家本校訂)
現代語訳
(渋谷栄一)
380
撫子の
とこなつかしき
色を見ば
もとの垣根
人や尋ねむ
〔源氏〕撫子の花の色のように
いつ見ても美しい
あなたを見ると
母親の行く方を
内大臣は尋ねられることだろうな
381
山賤の
ほに生ひし
撫子の
もとの根ざしを
誰れか尋ねむ
〔玉鬘〕山家の賤しい
垣根に生えた
撫子のような
わたしの母親など
誰が尋ねたりしましょうか
382
草若み
常陸の浦の
いかが崎
いかであひ見む
田子の浦波
〔近江君→弘徽殿女御〕未熟者ですが、

いかがでしょうかと
何とかしてお目にかかりとうございます
383
代答
常陸なる
駿河の海の
須磨の
立ち出でよ
筥崎の松
〔中納言君〕常陸にある
駿河の海の
須磨の浦に
お出かけくだい、
箱崎の松が待っています