枕草子308段 小原の殿の御母上とこそは

右衛門の尉 枕草子
下巻下
308段
小原の殿の
業平の中将

(旧)大系:308段
新大系:288段、新編全集:288段
(以上全て三巻本系列本。しかし後二本の構成は2/3が一致せず混乱を招くので、以後は最も索引性に優れ三巻本理論の根本たる『(旧)大系』に準拠すべきと思う)
(旧)全集=能因本:288段
 


 
 小原の殿の御母上とこそは、普門といふ寺にて八講しける、聞きて、またの日小野殿に、人々いと多く集まりて、遊びし、文作りけるに、
 

♪32
  薪こる ことは昨日に 尽きにしを
  いざ斧の柄は ここに朽たさむ
 

とよみ給ひたりけむこそいとめでたけれ。ここもとは打ち聞きになりぬるなめり。
 
 

右衛門の尉 枕草子
下巻下
308段
小原の殿の
業平の中将