紫式部集116 ことわりの:原文対訳・逐語分析

115雲間なく 紫式部集
第十一部
終の予感

116ことわりの
異本123:日記歌9
(古本巻末日記歌と日記の歌は順不同)
117浮き寝せし
原文
実践女子大本
(定家本系筆頭)
現代語訳
(渋谷栄一)
注釈
【渋谷栄一】
返し、  返歌、  
     
ことわりの ごもっともな 【ことわりの】-降るのが当然の季節の意。「ことはり」は平安の仮名遣い。
時雨の空は 時雨の降る空は  
雲間あれど 雲間はありますが  
眺むる袖ぞ 眺めているわたしの袖は  
乾く世もなき 乾く間もありません  
     

参考異本=本人日記歌+後世の二次資料

*「ことわりのしぐれの空は雲まあれどながむる袖ぞかわくよもなき」(黒川本「紫日記」八)

*「返し  紫式部
ことわりのしぐれのそらはくもまあれどながむるそでぞかわくよもなき」(樋口芳麻呂氏本「新勅撰集」冬 三八一)