枕草子196段 宮仕人のもとに来などする男の

ふと心劣り 枕草子
中巻下
196段
宮仕人の
風は

(旧)大系:196段
新大系:187段、新編全集:187段
(以上全て三巻本系列本。しかし後二本の構成は2/3が一致せず混乱を招くので、以後最も索引性に優れる三巻本理論の根本たる『(旧)大系』に準拠すべきと思う)
(旧)全集=能因本:307段
 


 
 宮仕人のもとに来などする男の、そこにて物食ふこそいとわろけれ。食はする人も、いとにくし。思はむ人の、「なほ」など心ざしありていはむを、忌みたらむやうに口をふたぎ、顔をもてのくべきことにもあらねば、食ひをるにこそはあらめ。いみじう酔ひて、わりなく夜ふけてとまりたりとも、さらに湯漬をだに食はせじ。心もなかりけりとて来ずは、さてありなむ。里などにて、北面よりいだしては、いかがはせむ。それだになほぞある。
 
 

ふと心劣り 枕草子
中巻下
196段
宮仕人の
風は