枕草子273段 十月十よ日の月の

古代の人の 枕草子
下巻中
273段
十月十よ日
成信の中将

(旧)大系:273段
新大系:254段、新編全集:255段
(以上全て三巻本系列本。しかし後二本の構成は2/3が一致せず混乱を招くので、以後は最も索引性に優れ三巻本理論の根本たる『(旧)大系』に準拠すべきと思う)
(旧)全集=能因本:217段
 

新(旧)全集段冒頭:十月十余日の月いと明かきに、ありきて(あるきて)


 
 十月十よ日の月のいとあかきにありきて、女房十五六人ばかり、みな濃き衣を上に着て、ひき返しつつありしに、中納言の君の、くれなゐのはりたるを着て、頸よりかみをかき越し給へりしが、あたらし、そとには、いともよく似たりしかな。「ひひなのすけ」とぞ、若き人々つけたりし。後に立ちて笑ふも知らずかし。
 
 

古代の人の 枕草子
下巻中
273段
十月十よ日
成信の中将